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千葉家庭裁判所 昭和54年(少)3170号 決定

主文

少年を千葉保護観察所の保護観察に付する。

理由

一  非行事実 別紙のとおり(なお強盗致傷の送致については、傷害と窃盗の認定をなした。)

二  上記事実に適用すべき法条

一の非行 刑法六〇条、二〇四条

二の非行 刑法二三五条

三の非行 暴力行為等処罰ニ関スル法律一条

四の非行 道路交通法六四条、一一八条一項

三  主文記載の保護処分に付する事由

少年の非行事実は前記のとおりであり、非行の態様ならびに非行前の生活状況性格環境等に鑑みると悪質な事案でもあり、要保護性も高いとも考えられるが、既に少年院に一か月余入院し反省の高まりも見受けられるし、保護者、兄弟にあつてもその指導を強く心に誓つている等の諸事情にあり、これらに照らすと、現時点における少年の要保護性は当初より減弱し施設収容によることなく相当期間保護観察に付することで、少年の健全な育成をはかりうると認められるので、少年法第二四条第一項第一号少年審判規則第三七条第一項により主文のとおり決定する。

(別紙)

非行事実

少年は暴走族○△○のリーダーであり、暴走族○×等の構成員数十名と共謀のうえ、かねてより対立関係にある暴走族○△×○等を攻撃してその身体財産に危害を加える目的をもつて○△×○の所在をさがしていたが、

一 昭和五四年九月一六日午前三時四〇分ごろ、木更津市○○○×丁目××番×号付近路上において、K運転の普通乗用自動車(千葉××は××××)を停止させ、お前ら○△×○かと申し向け、同人および同乗していたLを車外に引きずり出し、十数名と共同して所携の角材、鉄パイプ等で殴打し、もつてKに対し加療一週間を要する背部打撲等の、Lに対して加療一〇日間を要する左下腿打撲擦過傷等の各傷害をそれぞれ負わせ、

二 その際、前記暴行により失神状態になつたKから同人所有の腕時計一個及び運動靴一足(時価合計四二、〇〇〇円相当)を窃盗し、

三 更に前記暴行の際、十数名共同して所携の角材、鉄パイプ、ヘルメット等でKの運転する普通乗用自動車(千葉××は××××)のボデーガラス等を殴打し、あるいは同車両の屋根にあがり飛びはねる等してガラスボデードア等を損壊し、よつて数人共同してK所有の器物を損壊し、

四 公安委員会の運転免許を受けないで、昭和五四年七月一日午後二時一〇分ころ、千葉県市原市○○町×丁目××番地先道路において、原動機付自転車を運転し、

たものである。以上

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